映像を通して「こども時間」を届ける! コロナ禍の今、クリニクラウンが発信するYouTube動画の撮影現場
取材・文 石倉由梨
病棟訪問ができない今、クリニクラウンはYouTubeやZOOM、InstagramなどSNSを使った「こども時間」を届ける方法を試行錯誤しています。今回は、特にYouTube動画撮影の現場についてお伝えします。
コロナに負けず「こども時間」を届けるために
クリニクラウンによるYouTube配信は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、病棟訪問が今年はできないと決まっている病院も多い中、何かできることをしよう、という思いから始まりました。
YouTubeチャンネルを開設したのは今年の3月。現在、約30本の動画(2020年7月取材時)をアップしています。月2~3回、スケジュールの合うメンバーたちで集まって、事務所やスタジオの中で撮影しているそうです。さらに、病院はWI-FI環境がないことが多いため、YouTubeの映像をDVDに焼いて病院に送っています。
ライターの私が取材した日は、YouTube配信用の動画のほか、直接病院に送る動画や、8月7日に開催されるチャリティイベント「RED NOSE DAYwith CliniClowns」で使用する動画の撮影を行っているところでした。笑顔いっぱいの雰囲気の中、「できたー!」「よしっ」「ここの動きはやっぱりこうする?」「おもしろい!!」と、せっせと動画を撮影しています。動画は、きゃしーが大まかなストーリーを考えてきて、そのストーリーをもとに、即興的に動き、出来上がっています。
たとえば、ABCの歌に合わせて、アルファベッド一文字ごとにクリニクラウンが交代で違うダンスをする、という映像の撮影の場面。クリニクラウンの交代する順番やダンスの振りが前もって一応決まっていているのですが、撮影の中で、即興で面白い動きをつくりだし、より素敵な動画になるよう工夫していました。「映像なので、カメラを意識して、動きが分かりやすいように気をつけています。映像を見ながら真似できるような動画を撮る回もあります。」とのこと。
動画撮影の場にいると、コロナ禍に負けず、なんとかしてこどもたちや家族、病院に「こども時間」を届けたい、こどもたちと会いたい、というクリニクラウンの強い思いを感じました。
Zoomやお手紙を通じてこどもたちと交流する
今、直接病棟訪問はできないけれど、ZoomでのWeb訪問やインスタライブ、お手紙プロジェクトなどで、クリニクラウンはこどもたちとのつながりを保っています。「この前初めて、訪問先病院から『動画を見たよ!』とお手紙をもらったんです」と笑顔のポリタン。「今日は、RED NOSE DAY with Cliniclownsで使う動画を撮っています。こどもたちが一緒に踊れるものを作っています。」「昨日は、東京おもちゃ美術館さんとコラボした、お家で作れるおもちゃがテーマの動画を撮ったんですよ。」といきいきと教えてくれました。クリニクラウンが、こどもたちのことを思い続けていて、素敵なアイデアを考え続けていることが伝わってきました。
今、直接会うことは難しいけれど、クリニクラウンは、なんとかしてこどもたちとの交流を続けようと取り組んでいます。
クリニクラウンの思いが、こどもたちに届きますように。
今回取材したクリニクラウンのYoutubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/channel/UC-46IpmbzaVWBMVa6eoV0cw
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<ライタープロフィール>
石倉 由梨
1994年生まれ。奈良県出身。
同志社女子大学学芸学部で勉強するなかで、音楽など楽しいもので人の気持ちを元気にしたいと思う。 学部の時に授業でクリニクラウンについて知り、雰囲気に惹かれていた。2018年春に「つながる編集教室」の募集を見て、クリニクラウンと会えたり、活動を詳しく知ることができると思い魅力を感じ、ライターボランティアに応募した。