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病気や障害を抱えるこどもや家族への関心を高めるWEBメディア

クリニクラウンジャーナル

新しい挑戦へのジャンプ力が半端ない!? 走りながら考えるママ×クリニクラウン・まめたん

みなさん、新しいことを始めるとき、その一歩に悩むことありませんか?
「やれない理由」探したりしませんか?やっぱり、「勇気」が必要ですよね。

今回インタビューさせていただいたクリニクラウンまめたんこと藤本真実子さんはそんな「最初の一歩を躊躇する」ことを知らない方でした。まずは飛び込んでみて、走りながら今後のことを考える――まるで、スタートダッシュの早いマラソンランナーのような人なのです。

そんな藤本さんは、クリニクラウンになったときもやっぱり「まずは飛び込んでみる」ことから行動がはじまりました。

子どもとの関わりを探して“赤鼻”に出会う

小さいころから子どもが好きだった藤本さん。子育てがひと段落してからは、大阪市の「児童いきいき放課後授業」や、幼稚園の体操教室のお手伝いなどを通して子どもと関わってきました。

クリニクラウンを知ったのは、たまたま開いた新聞に載っていた記事だったそう。初めて出会った協会の活動に惹かれ、家族の了解を取りすぐに連絡を取ると、なんと1週間後に説明会があることがわかりました。

即行動派の藤本さんは、説明会に参加した日が応募期限だったため、即エントリー。ちょうど、お子さんが受験で頑張っている姿を見て「私も何か頑張ってみたい」と思っていたこともあり、導かれたようなタイミングだったと振り返ります。

あれよあれよと進み、気が付けばクリニクラウンに。嬉しい気持ちと、不安と、いっぱい抱えての初めての訪問。クリニクラウンの“くま”こと熊谷恵利子さんと行った京都の病院では、子ども達と出会えた瞬間に抱えていた不安が一気に吹き飛んだそうです。

「赤鼻をつけて待っていてくれた子どもたちの姿を見て、『私、勘違いしてた。どこにいても子どもは楽しいこと好きやし、遊び好きやし、わくわくとかドキドキとか大好きやし、病気とか関係なくみんな一緒やん。変われへんわ』と思ったんです。『私は思いっきりここで、この子たちと楽しい時間を過ごしたらいいんや』と子どもたちから教えてもらいました」。

それは、「初めての病院訪問でいただいたプレゼント」だったと、藤本さんは話します。

もがいた時期を支えてくれた仲間たち

飛び込んではみたものの、クリニクラウンの世界の奥の深さにもがいた時期もあったそう。病院訪問を重ねるにつれ、自分の方向性や目標を見失って、壁にぶち当たってしまったのです。

そんな藤本さんの様子にすぐに気付いてくれた先輩たちは、それぞれの視点からアドバイスをくれました。でも、そのアドバイスをひとつひとつ試してみても、すぐには自分の納得がいく結果が出ない。その一方で、藤本さんのなかに新たな気持ちが芽生えます。

「こんなにも迷う自分に寄り添い、支えてくれるクリニクラウンズと一緒に頑張りたいと思いましたし、今は迷いながらも一歩一歩前に進もうとしています。みんなが同じベクトルで、どうしたら良くなるかを考えている。同じ方向に上がっていこうとする、それが大好きで楽しくて仕方ないんです」。

仲間のことを話す藤本さんの笑顔を見ていると、肩の力が抜けて前向きに考えられるようになっているように感じました。

「取り巻く環境ごと楽しくふわっと持ち上げる」

訪問回数を重ねて気づいたのは「フォーカスするのは子どもたちだけではないな」ということ。周りにいるお母さんや看護師さんたちにも、“光を当てる”ことで、「子どもに返ってくる」と藤本さんは言います。

「病院での日常に入り込んで、普段見せない子どもの表情を引き出す。そんな事ができるのはたまに行く私たちの特権だと思うんです。いつもと違うその子たちの表情や反応を見て、お母さんや看護師さんたちもこんなかわいい一面もあったんや、そう言えばこんな表情する子やったな、と思うことで普段の関りがまた変わっていく。取り巻く環境ごとふわっと持ち上げる。それって私たちが関わる中で大切なことなんやなと実感しています」。

それは一生懸命関わるからこそ見えてくる「気づき」だなと思いました。「楽しいことが好き」と話す笑顔に隠れた熱い向上心に触れた時に人は感動し、“応援したい”という気持ちがむくむくと沸き上がってくるんだなと実感しました。

藤本さんは、自分を取り巻く環境にもしっかり目を向けることも忘れていません藤本さんの行動力を後押しをしてくれる家族や仲間に常に感謝し、クリニクラウンとして訪問する病院の子どもたちにも感謝しているそうです。

「訪問するたびに、子どもたちからすごいパワーをもらえるんです。おたおたしてたらあかんなって思うんです。だから、その感謝の気持ちを、どんどんいいものを届けられる自分になって返していきたいと思っています」。

関わり始めたら、全力で取り組む。そこで出会ったことに感じて考えて、行動に移す。それを大切に活動を続けるからこそ、みんなは藤本さんを応援したくなるんだろうなと思いました。

今年は大阪マラソンにもチャレンジするそうです。これからも持ち前のジャンプ力でどんどん新しいことをする藤本さんを、私も応援したいと思います。

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藤本 真実子
1971年生まれ。大阪府出身。
武庫川女子大学短期大学部人間関係学科でレクリエーションや心理学を学び、人との出会い、関わりに興味を持つ。 就職、結婚、3人の子どもを出産、子育ての経験を活かし関心のあった子ども関係の職に携わりながら、新聞記事でクリニクラウンに出逢う。養成課程を経て、2016年3月に認定を受け、クリニクラウンとして全国の小児病棟へ訪問し活動をしている。
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<ライタープロフィール>
塚本真美
1977年大阪府堺市生まれ、堺市育ち。2000年春、社会人になる時に内側からNPOを支える存在ではなく、外側から支えられる存在になろうと考える。様々な職を転々としながら、NPOの色んな活動に参加し暗中模索の20年を過ごす。そんな中でこの繋がる編集教室に出会う。
書くこと、伝えることを学び社会に貢献する一助になればと応募し現在に至る。
まだまだ旅の途中。