クリニクラウンWeb事業
新型コロナウィルスの感染拡大により、
入院中のこどもたちが今まで以上に行動制限を受け、
ストレスフルな状況にある今だからこそ、
当協会の趣旨である「こども時間を届ける」ことが求められているのではないかという想いから、
「今、私たちが出来ることは何か」を考え、
2022年3月、「クリニクラウンWeb事業」を立ち上げました。
コロナ禍では、新型コロナウイルス(以下COVID-19)の感染予防のためプレイルームの閉鎖や家族との面会制限、病棟内イベントの中止など、入院中のこどもたちや家族はこれまで以上のストレスや不安の中で過ごしています。
自宅療養中のこどもたちは、免疫力の低下や感染時の重症化のリスクの為、自宅で孤立傾向にあります。
「遊び」と「学び」の機会が制限され、感染予防のために、こども同士が交流する機会が減少しています。
感染のリスクなく、入院中のこどもたちに「こども時間」を届けたい。
そんな想いから、クリニクラウンWeb事業を実施しています。
多くの方々に応援を呼びかけ、少しでも多くの病気や障害を抱えるこどもたちにこのプログラムを届けていけるように、頑張っていきたいと思いますので、皆様のご支援・ご協力をお願いします。
クリニクラウンWeb事業とは
病気や障害を抱えるこどもたちにWebを活用し、クリニクラウンによる遊びや関わりを通して、こどものストレス緩和を目指します。そして、こどもたちや疲弊している医療者や家族への励ましや安心感につながり、メンタルサポートにもなると考え、実施しています。
1.クリニクラウンWeb訪問(バーチャル訪問)
Webカメラのビデオ通話を使い、こどもとクリニクラウンが双方向リアルタイムコミュニケーションを行います。
感染症の心配なく、病院訪問とは違う形での「出会い」や「遊び」の機会を提供し、こどもの成長をサポートします。
3年間でのべ4003名のこどもたちにオンラインで「こども時間」を届けました。
クリニクラウンweb訪問実績(2020年4月~2023年3月末)
クリニクラウンWeb訪問(バーチャル訪問)【病院対象】
病室にいるこどもたちと「クリニクラウンのへや」をWebでつなぎます。
はじめは緊張していたこどもも、クリニクラウンの世界に引き込まれ、画面から見えなくなったクリニクラウンを探そうとのぞき込んだり、Webカメラに手を伸ばしクリニクラウンをくすぐったり、画面越しだからこその遊びをこどもたちがクリニクラウンと一緒に作り上げていきます。こどもたちの反応に合わせて、クリニクラウンは即興で関わり方を変えていき、こどもの主体性をひきだします。
【病棟スタッフからの感想】
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こどもや両親が、日ごろ見せないとても素敵な笑顔で楽しんでいる姿を見ることができて、少しでも気分転換になっていると思います。
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重心の患者さんのご家族がとても喜ばれていたのが印象的で、お子さんが喜ぶことをしてあげたいと考えておられるご家族の気持ちに寄り添った訪問だったと思います。
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患児家族とも共通の話題ができ、患児、家族の普段見せない表情をみることができました。 こどもたちもご家族もクリニクラウンに会えるのをとても楽しみにしており、画面越しでしたが、新しい楽しみ方を見つけ、たくさん笑顔の時間を過ごせたので、実施して良かったなと思っています。
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職員が思うよりもずっと、こどもたちやご家族はWEB訪問をすんなり受け入れていると感じます。入院患者さんを対象とするイベントが開催できなくなっており、入院生活が単調になりがちな中、WEB訪問はよい刺激になっていると思います。クリニクラウンと会話をするお子さんを見て、ご家族が気づかなかったお子さんの社会性のような面を知り喜ばれています。
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主に長期入院のクリーンルームのこどもたちを中心にWEB訪問を実施しました。毎月同じ子供たちと関わることで、より親しみやすさが増し、室内安静が多いこどもたちですが、クリニクラウンと画面越しに会話したり遊んだりすることで、とても良い刺激を受けていました。何より、楽しそうに笑っているのを見れて本当に良かったです。
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訪問では入室出来ない無菌室への訪問が可能となりました。Web訪問の可能性を感じています。実際の訪問が再開しても、Web訪問を継続してほしいです。
クリニクラウンのWeb訪問は、病院の担当者と相談の上、それぞれの状況にあわせて対応しておりますので、関心のある方はぜひお問い合わせください。
詳しくは、「クリニクラウンWeb訪問を希望される病院施設の方へ」をご覧ください。
クリニクラウンWeb訪問(バーチャル訪問)【施設対象】
放課後デイサービスなどの施設のお部屋と「クリニクラウンへや」をWebでつなぎ、施設のみんなと一緒にWebで遊びます。(約20分~30分 即興プログラム)
詳しくは、「クリニクラウンWeb訪問を希望される病院施設の方へ」をご覧ください。
クリニクラウンとWebであそぼう(Webキッズ)【個人対象】
自宅や病院で療養しているこどもたちがクリニクラウンとふれあうプログラム
その子に合わせた様々な遊びが展開します。
【自宅療養中のこどもたちとのアクセスの様子動画】
【保護者からの感想】
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コロナ禍で、親子共に自宅に引きこもっていたので、Webを使って遊べることがありがたいです。久しぶりに大声で笑って、本当に楽しい時間をいつもありがとうございます。
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クリニクラウンと画面越しにかかわるだけで、ふわーと明るい雰囲気になって、こどもにとってもいい刺激になっています。
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耳が聞こえにくいのですが、クリニクラウンがジェスチャーを大きくしたりして、楽しい雰囲気を全身でつたえてくれるので、こどもも私もすごく楽しんでいます。
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回数を重ねるごとに、こどもがクリニクラウンとの関わりを楽しむようになってきて、親にとってもこどものいつもとは違う表情がみれたりする大切な時間になっています。
詳しくは、お問い合わせください。
クリニクラウンとみんなでWebであそぼう【個人対象】
自宅や病院で療養しているこどもたちがクリニクラウンとふれあいたくさんのこどもたちと交流します。
ZOOMのビデオ通話をつかい、病気や障がいの有無にかかわらず、こども同士が交流。
ノーマライゼーション(障がいのある人や障がいのない人と同等に、ともにいきいきと活動できる社会)を考えるきっかけを作り、こどもたちの成長をサポートします。
【保護者からの感想】
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はじめましてのお友達ともクリニクラウンを通じてすぐに仲良くなれるので、コミュニケーションをとる練習になります。
最近では、こどもがとても楽しみにしていて、普段起こしても起きない子がとても早起きします。 -
季節に応じて、毎回違う遊びなので楽しく参加させていただいています。こどもだけじゃなく大人もクリニクラウンやこどもたちの自由な発想や行動に振り回されながらも、たのしませてもらいました。
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たくさんの家族がいる中で、一人ひとりの反応をしっかりキャッチして声掛けしてくれ、とてもうれしいです。
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コロナ禍でのオンラインの活動は、ハンデのある家庭には救世主だと感じています。何もこどもにできていないというもやもや感がありましたが、大人も満足感をえることができました。
詳しくは、「クリニクラウンとみんなであそぼう」をご覧ください。
2.YouTubeクリニクラウンチャンネル動画配信
入院中のこどもたちやご家族の笑顔の為に「 YouTubeクリニクラウンチャンネル」を開設。
こどもたちの好奇心や想像力が膨らむ動画を定期的に配信しています。
動画ではクリニクラウンが「いつでも応援しているよ!」というメッセージを届けています。
(2020年3月17日より 毎週水曜 配信中)
3.クリニクラウンライブ配信
こどもたちが笑顔になるためには、周りにいる大人たちが笑顔になること。
そして、身近な人に笑顔を贈りあうことが大切だということを、わたしたちは入院中のこどもたちに教えてもらいました。大人もこどもも「こども時間」を楽しみ、笑顔を贈りあうことをコンセプトに、ライブを公式インスタグラムやYouTubeで配信しています。
(2020年5月5日からスタート)
4.新型コロナに負けない!小児病棟の療養環境を支えるプロジェクト
少しでも小児病棟で働くスタッフの役に立ちたい。入院中のこどもたちのために何かしたいと、さまざまな取り組みをおこなっています。
COVID-19感染拡大の影響と入院中のこどもたちについてのアンケート実施
COVID-19の影響をうけ、入院中のこどたちの抱えている課題や療養環境などがどのような状況にあるのか、実態を把握し、WEB環境を整え、感染のリスクなく外部からサポートする方法を模索するために。小児病棟で働くスタッフ対象にアンケート【2020年5月15日~5月30日】を実施し、結果を公開しています。
COVID-19感染拡大の影響と入院中のこどもたちについてのアンケート【2020年5月】詳細はこちら
https://www.cliniclowns.jp/wp/news/covid-1920200609
小児病棟にタブレットやWi-Fiを届けよう
訪問先病院へのアンケート(2020年5月実施)から、小児病棟では、Web環境が整っていない場合が多く、病棟で自由に使えるタブレットやパソコンなどがないため、Web訪問を希望される病院には、協会からタブレットやポータブルWi-Fiなどの通信機器などの貸し出しをおこなっています。
小児病棟にタブレットやWi-Fiを届けよう
「小児病棟にはWebの環境が整っていないのでYouTubeをみることができないからDVDにしてほしい」という病棟スタッフの要望にこたえ、YouTube作品をDVDにして訪問先病院へ届けています。
日本クリニクラウン協会は、少しでも「小児病棟で働くスタッフの役に立ちたい。」「入院中のこどもたちのために何かしたい」と、さまざまな取り組みをおこなっています。
詳細は以下のニュース&レポートをご覧ください。